1987年に製作された『マルサの女』は伊丹十三の監督・脚本によるサスペンス映画です。国税庁査察部の通称であるマルサに配属された主人公のヒューマンドラマや調査模様が見どころであり、脱税を暴けるかどうかという展開にハラハラさせられますよ。それでは『マルサの女』のネタバレあらすじとラスト結末、感想や名言、ロケ地を交えて紹介しましょう。
「マルサの女」のネタバレあらすじやラスト結末
権藤とヤクザ
権藤はラブホテルの経営をする中、脱税を続けて利益を上げていた。彼はヤクザの蜷川と組んで儲けを隠すためにヤクザから金を借りたことにしたり、議員に金を送って何かあったら守ってもらえるよう準備を万端にする。
他にも権藤はヤクザともサラ金で困っている家族に「アパートの部屋を明け渡せば借金を肩代わりする」と言って値が付きそうな土地を得ていたためだ。脱税をする中で税務署に対しても「来るなら来てみやがれ」と強気を見せる。
その頃、税務署で働く板倉は飲食店の脱税の調査に勤しんでいた。利益の少ない小さな飲食店を営む夫婦に対してであっても、細かなことを指摘することから「血も涙もない」と言われてしまう。
板倉と調査
板倉はパチンコ店の調査のために1万円札に赤で印をつけて両替した後、店長に収入について確認をとる。彼女は「2つの銀行と取引をしているのでは?」と指摘して店長のカバンを見せてもらうと、そこには印の付いた1万円札が入っていた
。板倉はそれを見て店の利益をごまかしていると忠告すると、店主は泣きわめ始めたので日を改めることにする。次に板倉が目を付けたのは権藤の経営するラブホテルだ。年間の利益が少ないことに着目して調査開始。
一方、権藤はラブホテルの客は領収書をもらうことが少なく、仕入れや人件費も節約できると知っていた。さらに愛人にラブホテルの伝票を処分を頼みつつ、しばしば女を変える。そんな折、不動産を買わせていた高齢の男性が亡くなったと知って会社ごと取り上げて更なる利益を得ようとした。
板倉は権藤の取引先であるシーツ屋の反面調査をしたり、権藤宅に足を運んで家族構成などの話を聞きに行く。
板倉と権藤
板倉の調査に対し権藤は渋ることなく応対する。さらに彼は女性が相手ということで時より詰め寄ったりするのだ。板倉は臆せずにシーツの単価が高い理由や1.2億円の貸し倒れがあることについて聞き出してラブホテルの案内も頼む。
権藤はラブホテルの施錠についてや部屋の説明をしつつ、彼女に見せてはマズイ資料を従業員に持たせて部屋に隠れるよう指示をした。板倉は蜷川に話を聞くため組の事務所に乗り込み、権藤に貸した5千万の証書を求めた。
しかし彼は「はした金ために証書は逐一出さない」と一蹴。続いて銀行でも調べを進めるが成果は得られなかった。彼女の上司もこれ以上の調査はマルサじゃないと難しいと考える中、蜷川が税務署にクレームを付けにきたりして慌ただしくなる。
その後、板倉はマルサに拝命されて喜び、数々の成果を上げる。しばらくして権藤の元愛人から領収書破棄に関する密告を受けて彼にバレないよう調査を進めることになった。
ガサ入れ(ラスト結末)
板倉やマルサたちは権藤の家を見張って銀行員が訪問したら後を付けたり、120人を超えるガサ入れの準備を進めたり・・・板倉の上司はガサ入れ当日にラブホテルの同業者を装って権藤とアポを取って計画の決行日を迎える。
その日、権藤宅で10時過ぎに使用人が外にゴミ出しをすると同時にのガサ入れを開始。令状があったことで権藤は仕方なく家の捜査を許す。板倉は権藤が息子と口論をしているのを見て子供の相談に乗りつつ、書斎の裏に会った隠し部屋を発見。隠している金を見つけたことで、次に貸金庫の鍵を探すため権藤の妻の元へ急ぐ板倉たち・・・美容室にいた彼女は権藤が観念したと知って鍵を渡すのだった。
その後、銀行の不正も見つかって6ヶ月の捜査が続き、権藤は中学生の息子が板倉に助けられたこともあって残りの貸金庫の暗証番号を伝えて去る。
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「マルサの女」の感想
脱税の調査についてやマルサたちの朝夕問わず仕事に専念する様子などが良く分かる映画でしたね。1990年前後の社会情勢や権力者たちの動きも興味深かったです。板倉が登場した際にレストランにあった3桁と4桁の領収書に気付き、会計を分けて収入の帳簿を付けていると語っていたのに驚きました。
そうした彼女の目ざとさや賢さ、そして機転の利く様がこの作品の見どころともいえます。
マルサになりたての時も金庫の鍵の在りかを隠す女性がいた台所の排水口に目を付けたり、ゴミ袋の中から権藤のラブホテルの領収書を見つけ出したりと執念も感じさせました。また、そうした捜査の中で脱税者があの手この手を使っていたのもおもしろかったですね。
印鑑を入れたビニール袋をコンクリートや土に埋めて隠したり、時には口紅のパーツの中に潜ませたり・・・「そんな手があったのか」と思わされるシーンが印象的でした。
映画の後半にかけては板倉が権藤の息子と仲良くテレビゲームをしている姿も印象に残りました。彼女には子供がいて母子家庭であったことから、権藤の息子に対しての優しさにもつながったのでしょう。その子が権藤に内緒で20万円という大金を持っていたのが原因で親子ケンカを始めた際にも、親身になって話を聞くことで距離を縮めるのです。
権藤もそのことに感謝し、板倉の賢い面も気に入っていたことから最後に貸金庫の暗証番号を教えたのではないかと思いました。
「マルサの女」のみんなのレビュー(面白い?つまらない?)
面白いというレビュー
久しぶりに『マルサの女』を観た。
やっぱり面白いですね。
ああいう大人が楽しめる映画にあこがれます。— Kai (@Kai_music_japan) May 18, 2021
ItoiReo 2014年11月4日
今更ながらマルサの女を初鑑賞。面白い。物凄く面白い。冒頭の爆乳看護婦が老人に乳房を吸われてる所から始まる、インパクト。それ以降もしばらく色っぽいシーンが続く。山崎努はセックスばっか。宮本信子さん、そばかすまみれの役なのに、美しい。これがオーラと言う奴か。— 概念主義者 ニートリアージ 我輩は猫以下 (@tokoroten510) April 29, 2021
マルサの女はほんと面白いよねぇ。お仕事映画の傑作だよな。ハッピーフライトは善のお仕事映画の傑作、マルサの女は悪のお仕事映画の傑作。俺の中で二代巨頭。
— やすだはる (@ysadaharu) March 4, 2021
ゴールデン洋画劇場で『マルサの女2』を放送していて観たのは高校の時か。
ストーリーの内容が分からなかったけど、面白いなぁと思ったものだ。何年かして、内容の意味が分かるようになって、面白いなぁとまた思ったものだ。
今の脱税のやり方と取り締まり方は、インターネットを駆使してそうだ。
— aroina (@aroina3) December 29, 2020
『マルサの女』
今や誰もが知る「マルサ」を広めた映画。伊丹十三の演出はあざとい面もあるが、やはり脚本も役者も面白い。実はメイキングビデオも傑作で、歩数と立ち位置を完璧に把握する津川雅彦と岡田茉莉子、脚本の「荒々しく去っていく」を演じ切る山崎努など見どころ多数。
#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/uBwBdd3rYd— ncc1701 (@ncc170116) May 5, 2018
マルサの女 伊丹十三監督・脚本
国税局査察部、マルサを徹底的に調べ上げて作劇されている。また主人公の板倉涼子の港町税務調査員時代の仕事や相手先の税金の隠し方なども調べつくされている。資料偏重にならず面白い物語を作らせたら日本では未だ右に出るものはそうはいない。傑作です。 pic.twitter.com/CRRUhw1LVm
— たつぼうβ (@junklandZ) December 20, 2018
つまらないというレビュー
マルサの女が、つまらない・微妙・駄作といった声はネットでは見当たりませんでした。
「マルサの女」の名言
お金持ちはコップの中の水は絶対に飲まない
お金にいつも困ってる人はコップに水が貯まるとすぐに飲んでしまう。
一方、お金持ちはコップの中の水は絶対に飲まない。満杯になってもまだ飲まず、コップからこぼれた水だけを飲んでいる。☝️これ映画「マルサの女」の名言でありましたね(かなり要約)
つまり、種銭を貯めることが大切にゃのだと— 【お金の健康診断 for 楽天証券】スタート (@okane_kenko) May 31, 2020
よーしマルサの女や
金を貯める秘訣やな。これやね。
コップの中にある水は基本資金やな。このコップの中から垂れてくる水を落とさず飲み干す、これが使える金やな。それまで我慢をするって事やな。久々に見たけど面白いよね。https://t.co/ebS9ZYRKSt
皆様も良ければどうぞ、よい今夜を👍
😀🌃👻 pic.twitter.com/7dYdoqCl4S— いざこざ (@izakoza77) December 27, 2020
自分のものでないなら、手に入れるにはやはり買うのがほんとでしょ。…違いますか?
板倉「このお店は会社になってるんでしょ」妻「そうよ」板倉「では、お店の品物は会社のものであって、社長個人のものじゃありませんねえ」夫「そりゃ理屈はそうだけど―」板倉「自分のものでないなら、手に入れるにはやはり買うのがほんとでしょ。…違いますか?」
— 映画 マルサの女の名言_bot (@marusa_onna_bot) May 14, 2021
金貯めようと思ったらね、花村さん。使わないことだよ。
何度見てもアレだわ、マルサの女の終盤のあの名言、金言だわ。
権藤
「せっかくだから教えてあげるよ。金貯めようと思ったらね、花村さん。使わないことだよ。あんたは葬式がありゃ1万、結婚式がありゃ2万と出すでしょう。そんなもの出してたら金は残らない。100万あったって使えば残らない。— metalslave777 (@metalslave777) September 16, 2019
金は生き物だ。金は時間とともに育つ。金は私の子供だ
「マルサの女」に「金は生き物だ。金は時間とともに育つ。金は私の子供だ。金は未来。金は未来の命だ。金とともにある時…私は、不老不死になるのだ…」というセリフがあるしカイジにも金は命より重いという言葉がある。そこまでの拝金主義になりたいとは思わないけど、名言であるとは思う。
— ちえみー (@Emmy112358) July 31, 2014
全ての日本人は村人だ!みんな、人の生活をのぞき見したがってるだけなんだ!
蔵書整理中。映画『マルサの女2』で、宗教家役の三國連太郎が「全ての日本人は村人だ!みんな、人の生活をのぞき見したがってるだけなんだ!」と言っており、名言だと思っていましたが、こんな物を発見しました。全ての日本人は… http://twitpic.com/1o8ey0
— ぴよぴよ (@bluepand) May 16, 2010
でも俺脱税はしてないよな? するとしたら全然別の方法いくね。会社の住所毎年変えちゃうとか。
権藤「板倉さん疑っておられるんだよ。でも俺脱税はしてないよな? するとしたら全然別の方法いくね。会社の住所毎年変えちゃうとか。これ、案外、コロンブスの卵なんだよな。板倉さん。」
— 映画 マルサの女の名言_bot (@marusa_onna_bot) May 12, 2021
「マルサの女」のロケ地
パチンコ店「シルクロード」(千歳烏山駅北口:閉店済)
※サンシャインという説もあります。
花月園競輪場
亮子と権藤の会話をするラストシーンの場所
東京工業試験所の跡地
病院で雪の日にロールスロイスから山崎努さん・室田日出男が降りてくる場面―。
東京・初台にある、東京オペラシティ。
以前は「東京工業試験所」という通産省の建物が建っていた。
「マルサの女」等のロケで使われていたが、遠い昔に見た映画(子供たちが他で飼えなくなった動物を預かって飼育する…といった内容。)でも使われていた記憶がありますが、タイトル思い出せません…。— NORI@新宿文化圏 (@sinjuku_bunka) May 20, 2021
「マルサの女」の登場人物(俳優名)
板倉亮子(宮本信子)
税務署の職員だったがマルサに拝命された有能な女性。様々な成果を上げる。
権藤英樹(山崎努)
ラブホテルを経営して利益を隠している男性。妻子がいる。
花村(津川雅彦)
板倉の上司。
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