『アウトレイジ ビヨンド』は『アウトレイジ』の続編であり、完結編につながるヤクザをテーマにした映画。北野武監督が描くヤクザの恫喝や凄みは見ていて緊迫感を感じさせるのが見どころですね。新たな勢力である関西の花菱会と山王会がどのように関わっていくのかというストーリーは目が離せません。今回は『アウトレイジ ビヨンド』のあらすじとラスト結末に感想を交えてご紹介します。
「アウトレイジ ビヨンド」のラストの結末やネタバレあらすじ
大きな組織となった山王会
国交省課長は山王会の石原に呼び出され、大臣が目障りと言った者を消したことに苦言を呈した。課長はマスコミにバレたらマズイと考えて今後の付き合いを考えたいと言うが石原は逆に脅して関係を続けると言い放つ。
山王会では会長の加藤と若頭の石原が指揮をとり、幹部たちに使えないやつは切り捨てると定例会で伝える。それに対し古参の富田、五味、白山は若い石原を採用したことも踏まえて会長に不満を抱いていた。
富田は加藤会長に弓を引こうと考え、関西の花菱会の布施会長に取り入ろうと挨拶に赴く。片岡刑事も同行して政治家に手を出す山王会の危険性を伝えるが、布施会長は加藤会長に富田の裏切りをバラすのだった。
富田に賛同していたハズの五味と白山も裏切ったことで、富田は殺される。加藤会長は片岡に富田と同行したのではと問うが彼はしらばっくれ、大友が間もなく出所すると言って石原に釘を刺した。大友が刑務所内で刺殺されたという噂はウソだったのだ。
大友の出所
片岡は大友を出所させるため暗躍し、山王会を潰すために焚きつけようとしたが大友は乗り気ではなかった。そのため、片岡は次にバッティングセンターを営む木村の元を訪れ、加藤たちのせいで組の若い者が死んでいったことを理由にケジメをつけるべきだと伝える。
木村は大友となら組んでも良いと考え、片岡は2人が会う機会を作った。山王会に振り回された大友と木村は改めて結束し、大友が石原に狙われるだろうと思った木村は若い子分の嶋と小野を護衛に付ける。大友はホテルの1階で待っていた2人に帰るよう言うが、彼らは木村の命令だからと言って動かなかった。
すると、自室に戻ろうとした大友はエレベーターで襲われて腹を撃たれ、嶋と小野は山王会に乗り込んで復讐をしようとしたが返り討ちに…片岡が嶋と小野の遺体の確認のため木村を呼ぶのだった。
花菱会と山王会
木村は大友と共に花菱会に赴いて杯をもらおうとしたが、西野たちが反対して大友は帰ろうとする。しかし、西野たちは納得いかず売り言葉に買い言葉により一触即発の雰囲気に…すると木村は指を詰めてその場を収め、花菱はその覚悟を受け取るのだった。
大友は前山王会の会長のボディーガードを務めていた舟木を怪しんで拷問の末、加藤とグルだったことを吐かせた。加藤が前会長を殺したという音声データを布施会長に渡し、加藤会長に突きつける。
その際に石原が音声データを送ったと伝えたことから、加藤は内部の人間を信じられなくなった。
一方で、山王会の面々は次々と殺され、ついに石原にも手が及ぶ。大友の目の前に連れ出された石原は必死に命乞いをするが拷問の末に殺された。
ラスト結末
加藤会長は幹部にも音声データが送られたことで引退を余儀なくされ、山王会の3代目会長は白山、若頭は五味に任命。余生を送るように加藤はパチンコ店へ行くと、大友は彼を刺殺した。
片岡は加藤殺しを捜査するため、前の抗争相手だった木村組をガサ入れした後、木村は何者かに殺される。
木村の葬式時に片岡は大友を待ち、来た際に銃を持っていないと言うので自分のを渡す。大友は銃をもらって片岡を撃ち殺したのだった。
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「アウトレイジ ビヨンド」の感想
片岡の暗躍と大友の覚悟
今回の抗争を悪化させていったのは刑事の片岡。政治家まで脅すようになった山王会は組織として大きくなりすぎたがために警察に目を付けられ、片岡が出張るようにりました。
前作でマル暴の担当から昇進していた片岡ですが、後任がヤクザの事件に深入りするようになって殺されたのがキッカケとなり、山王会を潰すために花菱会に助力を求めるというストーリーは見ていてハラハラします。山王会と花菱会が裏でつながっていたために富田が殺されたり、花菱会はあわよくば山王会の勢力を潰そうとしたりと組織間の信用や裏切は組員を大きく巻き込んで行くのです。
抗争の裏には片岡がおり、大友や木村を炊きつけるだけでなく、木村組に殺し屋を差し向けたのも彼の仕業…大友はそれに気づいたのか、それともこれまでの暗躍に嫌気がさしたのか、ラストで片岡を射殺したのでした。
おそらく大友が殺さなければ逆に始末されていただろうと思うと必然的だったでしょう。そうして味方を亡くし続ける大友が「アウトレイジ 最終章」でどうなるのかも見どころでしょう。
権威を得たヤクザの非情さ
今作でのヤクザらしさを感じたシーンと言えば、大友組では権威がそれほど無かった石原が若頭になったことで年上の古参の幹部たちに威圧的に対応していたのが最初でした。
政治家たちにも平然と脅しをかけ、幹部たちには稼げないなら組には不要だと言い放つ…地位を得たヤクザがここまで強さを見せつけるようになるのには驚きでした。
そんな石原も元組長である大友は恐れており、彼を始末できないと分かった際に部下たちに当たり散らして焦燥感を漂わせるのです。そうして大友に捕えられた際には、震えが止まらず地に手をついて何でもすると命乞いをする姿には落差が凄いと思いました。
大友は容赦なく、彼をバッティングセンターの打者席に拘束し、豪速球を顔に受けさせるという拷問…盛者必衰の流れを感じさせるストーリーと、ヤクザの非情さを感じさせました。
「アウトレイジ ビヨンド」のみんなのレビュー(高評価?低評価?)
高評価なレビュー
仕事しながら、アウトレイジ ビヨンドを思い出してたんだけど、加瀬さんって本当に凄い人だと改めて思った。 映画観てる時は正直、合ってないなぁ、なんて思ってたんだけど、違った。 そもそも石原がこの世界に向いてなかったんだ、話が進むに連れて、自分の中で違和感が無くなってくのが分かった。
— おめぐ (@rahomens) November 19, 2012
「アウトレイジ ビヨンド」
前作以上にソリッドでパンチの効いた2作目。成長した山王会と関東の花菱会が保っていた均衡をひっくり返してぶち壊す痛快バイオレンスエンタメ。
やられてやり返しての抗争を繰り返して描かれるヤクザの栄枯盛衰。全員悪人度が加速してて目が離せないシリーズ最高傑作。 pic.twitter.com/OfCLiCAdUp
— dune (@hodorofusukiino) March 28, 2020
名高達男と光石研の兄弟分コンビがリアルな感じで良かった。
あの掌返しったらないわ。(笑)それに比べて西田敏行と塩見三省の関西幹部。
迫力は勿論、狡猾さと計算高さが凄いわ。イカン、『アウトレイジ ビヨンド』また観たくなって来た。(笑)
この後は『最終目的地』観ます。— syokoban (@syokoban) October 6, 2012
世間だと松重さんってゴローちゃんなイメージが強いけど、元々Vシネとか出てるしアウトレイジビヨンドだとこんな風に無言で灰皿でヤクザの頭小突くマル暴役で、面白いぞ! pic.twitter.com/x3Eg78auen
— ブラホ👻⚖🎃🥐🏴☠️👯🦅🎨 (@BlackHawk_0728) April 18, 2017
『アウトレイジ ビヨンド』観了。いやはやこの殺伐ぶりは素晴らしいね。いわゆるフィルムノワールじゃなくて、これは何と言ったらいいのか。北野監督ってことなんだろうな。格好よさなんてなくて、人間の汚さが赤裸々にでていて、ある種ユニークですらある。続きはないのかな…。 ♯eiga
— KLY (@CinemasKLY) October 6, 2012
低評価なレビュー
アウトレイジ ビヨンドやっと見れた!
終わり方微妙だったな(´Д` )
続きがあるのかな(>_<)— harucan (@harucanc) July 29, 2013
アウトレイジ ビヨンド見たけど微妙やった。アウトレイジの方が面白いな。映画館で見れなかったからレンタルしたんやけど、映画館で見なくて正解やったかも。
— カズ (@kazu_1027) May 19, 2013
『アウトレイジ ビヨンド』を鑑賞。駄作じゃねぇかよ、馬鹿野郎!あんなに期待させといて、あの何の捻りもない脚本ってのはどういうことだよ!馬鹿野郎!!
— 中村太一朗 (@tnkmr0801) October 7, 2012
『アウトレイジビヨンド』を観た。前作がなかなかの出来で公開前のトレーラーでは期待が高まっていたが、観た人の感想はあまり芳しくないものが多かった。いざ観終わった感想は、正直、凡作だった。駄作に近い凡作。
— GZRカケフ (@gozira_kakefu) November 19, 2012
「アウトレイジ ビヨンド」の登場人物(俳優名)
大友(ビートたけし)
大友組の元組長。刑務所で死んだと思われていたが生きて出所する。
木村(中野英雄)
村瀬組の元若頭。刑務所で大友より先に出所。
加藤(三浦友和)
山王会2代目の会長。前会長を殺した罪を小沢になすりつけて今の地位に就く。
石原(加瀬亮)
元大友組であり、今は山王会の若頭。
富田(中尾彬)
山王会の幹部。花菱会とつながりを持つ。
白山(名高達男)
山王会の幹部。
五味(光石研)
山王会の幹部。
布施(神山繁)
花菱会の会長。
西野(西田敏行)
花菱会の若頭。虎視眈々と会長の座を狙う。
中田(演:塩見三省)
花菱会若頭補佐。花菱会では山王会に強硬な立場を取る。冷徹な性格。
城(演:高橋克典)
花菱会のヒットマン。
嶋(演:桐谷健太)
木村の舎弟の遺児。熱血漢。
小野(演:新井浩文)
木村の舎弟の遺児。キレやすい性格。
片岡(小日向文世)
警察(マル暴)であり、大友を先輩と呼んでいる
繁田(演:松重豊)
マル暴の刑事。片岡と違いヤクザに同調しない。