『アウトレイジ 最終章(アウトレイジ3)』はシリーズの3作目であり、完結編となる映画。北野武監督におけるヤクザの抗争のラストにおいて、主人公の大友がどのような行動に出るのかが注目です。前回に引き続き、勢力を持った花菱会と、張グループが対立するストーリーは見ものですよ。銃撃戦や脅しのやり取りが見どころとなる『アウトレイジ 最終章』のあらすじとラスト結末に感想やレビュー(面白い or つまらない)を交えて紹介しましょう。
「アウトレイジ 最終章」のラスト結末やネタバレあらすじ
大友と張会長
大友は刑事の片岡を殺した後、張会長の助けを借りて韓国に来ていた。市川と共に平穏に過ごすがある日、花菱会の花田が女を買って気に入らなかったために責任者を出すよう主張。大友は花田の元に行き、銃を見せて逆に脅し返した後、女たちを傷つけたことで200万円の支払いをするよう言うのだった。
しかし、花田は日本にバックレて大友の手下の一人を殺し、これをキッカケに張会長のグループと花菱会の対立が始まる。
張会長を利用する西野
花田は兄貴分の中田にことのあらましを説明し、張会長に謝罪をしに行くことになる。2000万円を用意して誠意を見せようとするが、張会長は相手にしていない様子…思わず悪態を付いてしまい、張会長は金に上乗せして二人を追い払うのだった。
花菱会の若頭の西野はその話を聞いて1億円を用意し、花田と共に再び謝罪に赴く。張会長は上乗せした分だけ受け取り、ヤクザのやり方とは違うことを示した。帰路の途中、西野は野村会長に命を狙われていることを話す。布施元会長の娘婿である元証券マンの野村が会長となったが、西野はそれを快く思っていなかった。
そのため、西野は逆に会長を陥れようと考えており、張会長に殺されたフリをして身を隠す。花田は西野が殺されたと野村会長にウソの報告をし、会長の命により中田の子分が張会長を殺そうとするが失敗。そのことが大友の耳に入り、彼は日本に帰国するのだった。
帰国した大友
大友を待っていたのはマル暴の警察である繁田。片岡殺しについても取り調べを進めようとしたが、張会長の息がかかっていた警察の上官は大友を釈放するよう命じる。その頃、中田が山王会に張会長の件で手伝うよう言いに行くが、会長の白山は断ろうとした。
そこに西野が現れて断る用地を残さず協力させる。白山は大友に張会長を狙っていた吉岡の居場所を教えたことで大友は彼を射殺。その後も銃と人員を揃えようとするが、やって来た韓国人太刀は花菱の手の者だとわかり、彼らを亡きものとするのだった。大友は市川と2人で花菱会に挑むことになる。
大友の最期(ラスト結末)
大友と市川に声を掛けたのは西野だった。野村会長を始末するため協力すると言い出し、後日行われる花菱会の組員の出所パーティーで待ち合わせの約束をする。パーティー当日、なんと野村会長は来ず、西野は逆に好都合だと考えた。
出席している幹部や組員を味方につけて野村会長を引きずり落とそうと演説を始めた直後、大友と市川アサルトライフルを乱射。数多くの死者が出る中、西野は怯えながらも会場を後にし、野村会長の元に訪れる。
西野は花田や中田と共に野村会長に楯突き、証券マン上がりの彼に本当のヤクザの恐ろしさ見せつけるため大友に預けた。大友は野村会長を首だけ残して山の路上に埋め、会長はやって来た車に気付かれることなくひき殺されるのだった。
大友はその後、花田を殺して前に木村組を襲った男たちも銃殺した後、張会長には済州島に帰るよう伝える。しかし、大友は銃をあごに突きつけて引き金を引き、自害するのだった。
「アウトレイジ 最終章」の感想
大友の最期と張グループ
ヤクザとはまた違った恐ろしさを感じさせたのが張グループ。花田や西野が挨拶に来ても顔色を変えず、ヤクザとは異なりつつも威厳がありました。そして、警察の繁田が来ても気にも留めず、横柄な態度に「日本の警察は礼儀を知らない」と言いのけるほどです。そうした山王会、花菱会とは異なる第3の勢力はストーリーの要となりました。
仁義を大切にする大友ですから、韓国に匿ってくれた張会長が命を狙われたことを知って日本に戻って花菱会に復讐をするというストーリーは見ものです。張会長には止められていたため、市川と2人で立ち向かうことになる大友が銃を構えて堂々とした姿はシリーズの中で最も威厳を感じさせました。そうして前作で死んだ木村の仇もとり、全てを終えて命を絶つラスト…大友は死に場所を求めていたのではと感じさせてました。
一方で、花菱会には西野が会長になり、山王会は白山会長を五味が射殺したことで組織も大きく変わった「アウトレイジ」シリーズの第3作。1作目からの下剋上がこうして幕を閉じていき、ヤクザ社会の関係性や厳しさ、忠義なども感じさせる映画でした。
ヤクザらしさを感じるシーンに注目
シリーズを追うごとに血まみれで凄惨なシーンは減っていきますが、一方で命が残りわずかとなるシーンの描写は長く撮られるようになっていました。野村会長が埋められて車が迫ってくるシーンや、花田が爆発物をくわえさせられて導火線の火が迫っていくシーンは死を間近にした2人の緊迫感がとても伝わってきます。
死んだ際の直接的な描写は無くても、十分にヤクザの恐ろしさを感じることができましたが、大友がパーティーで乱射するのも派手で良かったですね。組員たちが血しぶきを上げて倒れていき、その光景を目の当たりにした西野がひどく怯えていた姿…映画の後半は見どころの連続だったと言えるでしょう。
もちろん、ヤクザとしての凄みも健在であり、大友や西野、張会長の表情や発する言葉の威圧感が凄まじかったです。
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「アウトレイジ 最終章」のみんなのレビュー(面白い?つまらない?)
面白いというレビュー
今更だが、アウトレイジ最終章を観た。前二作のほうが好きけど、それでもクオリティが落ちたわけではなく安定して面白い。
しかし西田敏行はやっぱりすげぇなあ。
— かんにょ「い歴生の人」 (@kittodekiru9306) June 27, 2020
「アウトレイジ 最終章」鑑賞。面白かった!組織で生きる人間の悲哀はあいも変わらず。組織と関係ない所で動くアウトロー的な魅力が大きかった主役の大友だけど、今作では韓国の暗黒街の顔役の庇護を受けていたこともあって少しアウトロー感に欠けていたのが残念かな。
— TOMO郎 (@tomocchisan) June 6, 2020
つまらないというレビュー
自殺の話に永久不滅を思うのは妙なような正しいような…
アウトレイジ最終章は駄作だけれど、自殺体をしっかり無残に撮ったのだけは良かった…
— 柳田威生 (@takeoyanagida) July 31, 2020
前作がすごい好きだったんで、『アウトレイジ 最終章』も、もちろん観ましたけど、俺ん中ではちょっと合わなかったですね。なんていうか、哀しくもなければ怖さもない。もともとの期待値が高かった分、余計にそう感じてしまったんです。
週刊大衆 2017.11.27号
— 小林勇貴bot (@y_kobayashibot) June 30, 2020
アウトレイジ最終章のBlu-ray一応買ってあるけど、何回見ても残念な気分になる🐷
無印ビヨンドと良かったのに肝心の最期が何でこんな酷い出来になっちまったんだろうか🐷 pic.twitter.com/RwHeLalx8Q— ゆきと (@KK_200crown) June 15, 2020
アウトレイジ最終章を観た。1作目と2作目はよかったのに、先月、虎狼の血を観た後だからか、以前より面白さが減った気が。西田敏行と塩見三省が歳を取りすぎた気も。いや、虎狼の血がよすぎたんだろうな。
— ボス (@pinturihhiko) June 9, 2020
「アウトレイジ 最終章」の登場人物(俳優名)
大友(ビートたけし)
大友組の元組長。警察の片岡を殺した後、張会長の計らいで韓国に行く。
張(金田時男)
韓国フィクサーの張グループの会長
市川(大森南朋)
張グループの一員であり、大友と行動を共にする。
李(演:白竜)
張の側近の部下。張を襲った花田組組員を射殺する。
野村(大杉漣)
花菱会の会長。元証券マンであり、前会長の娘婿。
森島(岸部一徳)
花菱会の若頭補佐。。野村会長に忠誠を誓っているように見せて、かつ西野を牽制するフリをしている。
西野(西田敏行)
花菱会の若頭。虎視眈々と会長の座を狙う。
中田(塩見三省)
花菱会の幹部。西野の策略に乗りつつ、野村会長の命令も聞く。
花田(ピエール瀧)
花菱会の組員。女遊びが好き。
丸山(原田泰造)
暴走族上がりの花田組の武闘派構成員。張グループ会長の襲撃にも参加する。
白山(名高達男)
山王会の会長。
五味(光石研)
山王会の若頭。
吉岡(池内博之)
木村組組長。花菱会本部から任命。花菱会の関東攻略の足掛かりとなる。
平山(中村育二)
マル暴の刑事で繁田の上司。
繁田(松重豊)
マル暴の刑事。真面目で実直な性格。花菱会と張グループの構想を調査する。
「アウトレイジ 最終章」の人物相関図
吉本興業 ベテラン芸人達も声をあげ出し、映画「アウトレイジ」相関図に見立てると面白い。大友(ビートたけし)は加藤浩次で、加藤(三浦友和)は松本人志 五味(光石研)が太平サブローなど。色々想像してみよう pic.twitter.com/sVXuhoSECQ
— 永井秀之 (@hibura) July 24, 2019