1989年に製作された『その男、凶暴につき』は北野武監督による刑事ものをテーマにした映画です。暴力を辞さない刑事の我妻は仲間の死の真相を突き止めるべく薬の売人を追い詰めるのが主なストーリー。その際に殺し屋と対峙したり、売人に真実を吐かせようとしたりするため見どころが多いですよ。それでは『その男、凶暴につき』のあらすじとラスト結末に感想やロケ地を交えて紹介しましょう。
「その男、凶暴につき」のラストの結末やネタバレあらすじ
我妻
刑事の我妻はホームレスを襲った10代の男の子の家に行き、一方的に殴りつける。男の子は「何もしてない」と怯えながら言うと、我妻も「なら俺も何もしていない」と言って再び殴打し、仲間を連れて自首するよう命じた。次の日、男の子たちは自首し、我妻は新署長に呼ばれて事情を説明させられる。
我妻は犯行現場にいたが、一対多数では敵わないと思って少年の家に行き暴力による脅しをかけたと言うのだ。新署長は「自分の任期中は無茶な捜査を控えて欲しい」と我妻に伝える。
新米の菊池は我妻に声をかけてバーで飲んだり、賭博用ゲームが置いてある店にも行ったりした。
その際に我妻は菊池に5千円を借りてゲームを続け、本書から連絡が入ってタクシーで現場へ向かう。死体が上がった現場で捜査を始めるのだった。
逃走
殺人を犯したのは殺し屋の清弘。彼は殺しの依頼のための金をもらおうとした際に、値を安くしろと言われたことで相手を刺殺したのだ。足は付かず、雇い主のである仁藤から指示を受けて次の仕事に移るのだった。
我妻は退院したばかりの妹・灯の部屋を訪ねる。部屋に下着姿の男がいたことで睨むように見やる。男は慌てて服を着て部屋を出ると我妻は彼を階段から蹴り落とし、バス停までの道のりで詰問。彼の住まいや職業を根掘り葉掘り聞き、言いよどむたびに叩いたり蹴ったりするのだった。
その後、我妻は他の警官と共に容疑のある男の家に行くと、2人の警官がボコボコにされてしまう。男は窓から逃げ、外にいた警官を拾ったバットで強打し走り去り、玄関で待機していた我妻は犯人を追うため菊池の車に乗りこむ。
殺し屋
我妻は運転を代わり、犯人を追い詰めた際に軽く引いてしまった。すると犯人はバットで車のガラスを割り始め、我妻は車をバックさせて体勢を崩し、降りて過剰に暴行を加える。新署長はその報告を聞き始末書を書かせるのだった。
その後、我妻と菊池と店に赴いて薬の売人を捕える。売人は数十回に及び売人の頬を打って薬の仕入れ元を吐かせると、岩城刑事から買ったと言うのだ。彼は行方不明であり、我妻は家を訪ねて妻に話を聞くが・・・岩城は首を吊っていた所を発見され自殺として処理されてしまう。
殺し屋の清弘は情報をバラした売人を屋上から落として殺すが、仁藤は勝手な行動をした彼に忠告。その後、我妻は仁藤のパーティーを訪ね、ひとまず挨拶を交わした。そして捜査の末に我妻は清弘に行きつき、薬の所持をしていると疑惑をかけて捕える。
彼らの末路(ラスト結末)
我妻は清弘を署に連れて行き、ロッカーで尋問を始めた。清弘から証言を取ろうとするがしびれを切らした我妻は銃で彼を撃とうとする。そこに見張りをしていた菊池が止めに入り、我妻は署内で不当な捜査をしていたことや銃で撃とうとしたことが重なり辞表を出すよう言われてしまう。
我妻は不当に入手した銃を持って仁藤の元に行き銃殺。その知らせを聞いた清弘は次は我が身だと思い、三人の手下に覚悟を決めるよう言い渡す。すると手下たちは怯えだし、逆らった2人を清弘は銃で撃った。もう一人は逃げようと出口に向かって、そこに現れた我妻に撃たれてしまう。
対峙した我妻と清弘は撃ち合い、清弘は殺される。そこに捕えられていた灯が現れ、薬を撃たれた際の症状が強く出ていたのを見て我妻は銃で撃ってしまった。その後、我妻もまた他の者の手にかかり殺されるのだった。
北野武監督作品の「BROTHER」「座頭市」「ソナチネ」「キッズ・リターン」「HANA-BI」「菊次郎の夏」「あの夏、いちばん静かな海。」「アキレスと亀」「3-4X10月」「龍三と七人の子分たち」
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「その男、凶暴につき」の感想
暴力を辞さない我妻の強行的な行動に目を見張りましたね。冒頭で若い子を顔色も変えずに殴り続けるのを始めとし、怪しいと思った容疑者から犯罪者まで容赦なく攻撃するのです。表情を大きく変えることはなく、言葉や喋り方にはしっかりと攻撃性があるため凄まじさを感じました。
また、菊池や他の警察官に行動を諌められても殴るのを止めないことが多々ありましたね。暴力性が強いのか、正義感が勝って自白をさせようと必死なのか・・・両方を兼ねていたかもしれませんが、ハッキリとしたキャラクターだったと思います。
一方の殺し屋も冷静で、殺人を犯す際には何も思っていないかのように見えました。ただただ、仕事を全うしているだけかと思いきや、仁藤の指示どおりに動かずに勝手に殺しをしてしまうこともあるのです。それが原因で仁藤からクビを言い渡されますが、彼の死を聞いた際には憤りのような感情を沸かせていたのも印象的。
そうしてラストには我妻と殺し屋の戦いが始まります。殺し屋が手下と仲間割れをしたことで我妻の状況は優勢だったかと思われましたが、負傷して座り込んでいた殺し屋は多彩な武器で応戦するのです。対する我妻は正面から歩いて詰め寄り、撃たれた弾が身体をかすめつつも最後は殺し屋を撃つのでした。
刑事という職を追われた我妻の一人勝ちでハッピーエンドかと思いきや、まさか灯を手に賭けることになるとは思いもよりませんでしたね。薬を欲する彼女に何を思ったのか、死んでしまった我妻の考えは分からずじまいです。そのため、登場人物の心情を映画を見終わった後に考えたくなる作品でした。
「その男、凶暴につき」のみんなのレビュー(面白い?つまらない?)
面白いというレビュー
その男、凶暴につきのインタビュー動画をたまたま見てて、初めて作品を観た時の「こんなに面白い邦画あるんだ」っていう感覚を思い出した
— 人間味 (@ningen_aji) June 13, 2021
その男、凶暴につき久しぶりに観たけどやっぱ面白い
— ヨムネム (@yom4010_11037) August 30, 2020
その男、凶暴につき
物凄く胃がキリキリ痛くなる映画ですが、面白いです。
後の北野作品とは、少しトーンが違います。— いなりん (@inarin_jp) August 17, 2020
その男凶暴につきはドライなバイオレンスの連続で大変面白いのでみんな観てほしい
— 野井急メトロ【公式】 (@neu_nanchatte) July 3, 2020
#その男、凶暴につき
徹底的に「暴力には暴力を」で己の正義を貫く狂気と凶悪な現実社会。
本筋だけでなく連続ビンタに長時間の犯人追跡に流れ弾と要所要所に狂ってるシーンがあり怖いんだけどめちゃくちゃ面白い。
北野武が描く暴力を抑制させる術や死の扱い方といい大好きな作品。 pic.twitter.com/2abVhPZzGz
— PERCY (@ymovieac) April 21, 2020
つまらないというレビュー
若いころのビートたけしの映像を見ていて、ついで【この男、凶暴につき】もユーチューブにあったので、見てみた。スペイン語のたけしの吹き替えが変で、何をしゃべっているのか分からないが、クソつまらない1989年の東京の風景が、いとおしい。いい映画だった。
— 松元 泰右@ライフタイムゲームズ (@DanceOcn) September 27, 2014
「その男、凶暴につき」のロケ地(聖地)
港南大橋(港区)
我妻刑事(ビートたけし)が歩いた橋
『その男、凶暴につき(1989年)』で、最も重要なロケ地。北野武監督はこの港南大橋(品川)を歩く場面を膨らませて、衝撃の第1作を作った。橋を繰り返し登場させて、映画を格調高くするのは『菊次郎の夏』でも同じですね。天才だ!職人だ!#北野武 #ビートたけし pic.twitter.com/g04sXbxCQs
— kiyasu (@kiyasu) April 22, 2020
北品川旧東海道(品川区)
気晴らし映画ロケ地探訪記:第109回「その男、凶暴につき(1989)」(東京都品川区・2020年) 最初観た時は東京は何て怖いところなんだと思ったがw、よく見ればロケ地は近所ばかり。この北品川旧東海道も何度も劇中に登場した。 pic.twitter.com/w8rAcUOhaq
— mikoyan (@mikoyan358) November 12, 2020
我妻諒介(ビートたけし)
「その男、凶暴につき」の登場人物(俳優名)
我妻諒介(ビートたけし)
刑事であり、暴力による脅迫も辞さない男性。
菊地刑事(芦川誠)
若い刑事。
清弘(白竜)
仁藤が雇う殺し屋。
仁藤(岸部一徳)
清弘の雇い主。表向きは実業家。
灯(川上麻衣子)
我妻の妹。
吉成新署長(佐野史郎)
我妻の書の新しい署長。
北野武監督作品の「BROTHER」「座頭市」「ソナチネ」「キッズ・リターン」「HANA-BI」「菊次郎の夏」「あの夏、いちばん静かな海。」「アキレスと亀」「3-4X10月」「龍三と七人の子分たち」
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