映画『コクリコ坂から』は2011年に製作されたスタジオジブリの作品。宮崎駿が監督を務め、声優は長澤まさみと岡田准一が務めることで話題を呼びました。1963年の横浜の雰囲気や信号旗を揚げる少女の物語などが見どころであり、その時代に生きる子供と親たちの生き方にも注目ですよ。今回は『コクリコ坂から』のあらすじと結末に感想を交えて紹介します。
『コクリコ坂から』のネタバレあらすじとラスト結末
メルの日課と風間との出会い
1963年、横浜の下宿屋に住む高校2年生のメルは妹・空や他の下宿人の女性たちと暮らしていた。メルは炊事や洗濯を任されながらも港南学園高等学校へ通っている。ある日、メルの友人たちが校内新聞を持って来て、彼女がコラムを投稿したのかと話題になった。メルは船乗りの父の亡き後、帰りを待つかのように船に向けて旗を揚げていたのだが、旗に関することが書かれていたからだ。しかし、メルには心当たりがなかった。
昼食の時間になり、男子生徒の一部が騒がしくなってくる。すると、風間が建物の屋根から地上の深い水だまりに飛び降りた。校内新聞の週刊カルチェラタンの編集部である風間は生徒会の水沼たちの協力の元、このデモンストレーションを行って伝統のある建物・カルチェラタンの取り壊し反対運動をしたのだ。彼の写真を新聞に載せて話題にし、生徒たちにも取り壊しの反対に賛同を得ようとしている。
空は風間のファンになり、彼の写真を30円で買って当人のサインも欲しいと思って、メルに同行を頼んだ。カルチェラタンの上階の一室に編集部があり、空は風間のサインをもらい、そこにいた水沼の提案でメルは新聞の原本を作る作業を手伝うことになる。
カルチェラタン取り壊しを止めさせるには…
生徒が多数集まって討論会が開催され、古くて掃除も行き届いていないカルチェラタンを建て替えることに生徒の8割は賛成した。それに対し風間は歴史を顧みない行為であると主張して反対派と乱闘騒ぎに…そこに教員が集会の様子を見に来たため、生徒たちは一斉に歌の練習のフリをしたのだった。
ある日、北斗が下宿屋を出るための送別パーティーの準備をするメル。下宿人たちが集まって風間や水沼も招待された。メルは風間に下宿屋内や自分の部屋を案内し、そこで父・澤村雄一郎の写真を見せる。すると、風間は写真に見覚えが…帰宅した風間は同じ写真を持っているのを確認し、そこには小野寺善雄、立花洋、澤村雄一郎の3人が写っていた。育ての父親に風間は澤村が連れてきた子だということを再確認し、彼はメルと血縁者だと気付いて距離を置くようになる。メルは風間に避けられていることに気付いて理由を聞き、父のことを知るのだった。
一方で、カルチェラタンはメルの発案により徹底的な清掃が始まる。ボランティアで集まった女生徒たちと、各部で建物を使っている男子が協力して見違える程にキレイになったのだ。しかし、理事会が夏休み中にカルチェラタンを取り壊すと決めたため、水沼も風間も納得できず理事長に直談判を決意。水沼はメルに同行を頼み、徳丸財団の理事長に会いに神田へ向かった。3人は理事長に会い、メルが父や建物への思いを話して理事長はカルチェラタンを訪問すると決めたのだ。
メルと風間の真実(ラスト結末)
その日、メルは風間と共に帰路につき、櫻木町駅からの道のりで思いを告げる。彼女が旗を挙げ続けることで、亡くなった父は自分の代わりに風間に会わせてくれたこと、そして血縁だとしても好きなことは変わらないと伝えたのだ。帰宅したメルはアメリカから帰った母に澤村と風間の関係を聞いた。すると、風間は立花の子であり、孤児にさせまいと澤村が自身の子として戸籍に登録。その後、今の育ての親に風間を預けたと分かったのだ。
次の日、徳丸理事長はカルチェラタンを訪れて歓迎する生徒たちに好感を持つ。各部の活動を聞いた結果、取り壊し中止と宣言。生徒たちが歓喜する中、風間宛てに電話が入り、澤村の親友の小野寺が16時まで港にいると知らされる。風間はメルを連れて小野寺の元へ急ぎ、船に到着。小野寺は親友の澤村と立花のことを話し、彼らの子である風間とメルに会えたことを喜ぶのだった。
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『コクリコ坂から』の感想とみんなの口コミ
感想
風間とメルの関係と父親たちの生きざま
風間とメルの出会いの前に、新聞での出来事にもつながりがありました。風間は父の船に乗っている時にメルが揚げている旗を見ていたため、新聞に旗のことを書いたのです。そうして屋上から飛び降りて水だまりへ着水した際にメルに手を差し伸べてもらったのをキッカケに好意を抱いていく…新聞の手伝いをしてくれることを喜び、メルも風間を良く思い始めたところで、父親が同じであると気付く展開に驚きです。ラストにかけてカルチェラタンの取り壊しと共にどのように進むか気になる中、どちらもハッピーエンドとなったのに安心。そして、小野寺から澤村たちの強い結束が風間たちに伝わったラストが印象的でした。
風間とメルは最初から兄弟・姉妹だとわかっていれば恋心は無かっただろうに…と思いましたが、途中で語られたように朝鮮戦争後のこの時代には珍しくなったと感じます。戦争で親を失った孤児、戸籍の申請があれば親として育てられることを踏まえると風間とメル以外にもそうした子たちが多かったのかもしれません。親友だった澤村と立花が子供を授かり、自らの命が尽きた時には我が子として引き取る決意、その考えを言わずとも互いに同じことをしただろうと思う心。それらは戦争に赴く兵としての覚悟や仲間を思い合う様子が伝わってきました。
そんな立派な父に対し、子供たちである風間たちも高校生にしては物分かりが良いと言うか、道徳心があるというか…礼儀正しく、反対運動に熱心に取り組む姿から分かるように、彼らも立派な生き方をしていたと感じます。一方で風間はメルと恋仲には潔く認めたことに切なさも覚えました。メルも最初は塞ぎこんでいたのですが、それでも風間を好きだと言う姿に心が打たれるストーリーです。
映像と音楽にも注目
『コクリコ坂から』は1960年代を舞台にしていて、当時の街並みの再現も見どころでした。メルが買い物に行けば店主が新鮮な魚を教えてくれたり、総菜屋では値段をおまけしてくれたり。船着き場の目の前に練り物屋や魚屋がたくさんあって、店も扉が無いオープンな建物が多く、道に立ち並ぶ店と行き交う人々が賑わう風景は今違った良さを感じさせます。
また、メルたちが住まう横浜の桜木町の面影は山下公園を通った際に感じましたね。海を眺めながら散歩できる道、変わらぬ姿を見せてくれる大きな船の氷川丸、急勾配の坂も趣があります。逆に理事長の元に訪れるため神田駅周辺へ赴いた際には、今の雰囲気が全く無いのに驚きでした。というのとも、今はオフィスビルやコンクリートの建物ばかりなので建物の外装自体が異なり、電車の形状も違うため「こんな時代もあったのか」という感動があったのです。
そうした街の景観をゆったりと映しながらも、「上を向いて歩こう」の歌がBGMになることで、古き良き当時の雰囲気を味合わせてくれました。BGMの他にも生徒たちが歌う校歌などの合唱の様子も印象的であり、映像や音楽共に心に残るシーンが多かったです。
みんなの口コミ(面白い?つまらない?)
面白いという意見
あーやっぱえぇねー!
コクリコ坂から!
面白いし感動するし曲もえぇし!
ぐっと来ます\(//∇//)\ pic.twitter.com/cbBNqdKEod— 濱野翔太 (@sho25628590) August 12, 2016
ジブリって全部面白いけど、個人的に何度も見ちゃうのって『コクリコ坂から』なんだよな〜〜っていう独り言
— かえで (@masuzusi_1018) July 11, 2020
1人でいる時、ジブリのコクリコ坂が作業用BGMとしてちょうど良いのでずーっと流す習慣があるんだけど、観れば観るほど面白いし、一番最初に観てから7〜8年経った今、シーンによってまた違う印象を持ったり発見があったりしてして、未だ飽きずに楽しんでる。
— ノギス (@manju_yuyuyu) July 10, 2020
コクリコ坂はレビュー見てて話は単調でつまらないとか言うけどそんな事ないわよ。起きて朝ごはんのシーンから学校に行くまでの当たり前の日常を描写しててさらにラブコメと家族についての大切さ(特にパッパがくっそイケメン)を教えてくれるし音楽もええで。特に初恋の頃とか朝ごはんの歌と(((文字数 pic.twitter.com/33x67XyUtZ
— せとち (@disney_1925) July 10, 2020
つまらないという意見
宮崎吾朗監督「コクリコ坂から」を観た。ものすごくつまらない。絵はきれいだけど。。。大体男の子がかっこよくないジブリ映画なんてなんの価値があるんだ。建築の仕事を辞めさせてまで、吾朗さんに監督をやらせる鈴木Pの罪は重い。
— Ayah Book (@ayahbook) April 28, 2013
コクリコ坂見てきますた、、微妙!昭和の世界観は素晴らしかったけどなぁ。オンボロ館の学生達面白かったからそっちをメインにしてほしかった。主人公の恋愛どうこうはどうでもいい 笑 一番の収穫はココリコ坂じゃなくてコクリコ坂だと気付けた事 笑
— キムタツ (@YATTARAMUKI) August 31, 2011
昨日自分で気づいて自己満足してるんだけど
ジブリでコクリコ坂から面白くないなって思った理由がわかった。
邦画映画と同じ雰囲気だっんだ!
沈黙の長さや静かさで大人向けしすぎた内容で
アニメを見るというより邦画映画を見てる感覚
だから子供や海外の反応良くないのかなと自分は思って満足!— まりっち@麦茶 (@marittiP) June 30, 2017
『コクリコ坂から』の登場人物(声優)
松崎海(長澤まさみ)
愛称はメル。下宿屋の家事をしながら高校に通う。日課は庭の旗を挙げること。
風間俊(岡田准一)
カルチェラタン編集部の男子生徒。カルチェラタン取り壊し反対運動を行う一人。
水沼史郎(風間俊介)
生徒会長であり、カルチェラタン取り壊し反対運動の先導を切る。
松崎空(白石晴香)
メルの妹であり、好奇心から風間のファンになる。
北斗美樹(石田ゆり子)
下宿屋に住まう研修医の女性。
松崎良子(風吹ジュン)
メルの母であり、アメリカで先生を務める。
小野寺善雄(内藤剛志)
澤村の親友の一人であり、船長を務めて海外を回る。
風間明雄(大森南朋)
風間俊の父。澤村に頼まれて俊を引き取る。
徳丸理事長(香川照之)
高校の理事長であり多忙。風間たちにカルチェラタンの取り壊し反対の直訴を受ける。