1958年に製作された『隠し砦の三悪人』は黒澤明監督の時代劇映画です。戦に負けた将と姫の逃走劇、そこに加わる2人の男の行方が気になるストーリー。山場や森などの自然、立ち寄った街並みなども楽しめるのが見どころです。それでは『隠し砦の三悪人』のあらすじと結末に感想やスター・ウォーズとの関連性も交えて紹介しましょう。
「隠し砦の三悪人」のラストの結末やネタバレあらすじ
太平と又吉
戦に出て手柄を立てようとした太平と又七は現地に到着。すると戦は終わっており、雑兵とまちがわれて死人用の穴を掘らされてしまう。二人は何とか逃げ出すが、空腹で歩き続けていたのもあって喧嘩別れをした。
互いに違う道を進み、又七は再び捕われて穴掘りを命じられる。番卒から金貨を掘り当てるよう言われて働き続けると、太平も同じように捕まっているのに気付いた。太平と又吉はまたもや逃げ出し、河原に差しかかった際に金の延べ棒を発見。
この辺りに埋められていたならば、金が大量にあるはずと踏んで探し回るのだった。そこに男が通りかかり、太平たちは様子を見るため金探しを中断。夜になって金の分け前について話していると再び男が現れたのだ。
彼は太平たちに山で何をしているのかと問うと、「秋月領から早川領に向かっている」と答えた。すると男は「山向こうは山名領だ」と指摘。太平と又七は山名から早川に抜ける気だと語る。男は妙案だと思い、彼らを試すことにした。
六郎太
男の名は六郎太。腕っぷしのある彼に言われるがまま、太平と又七はご飯を炊いたり金を探すためにひたすら穴を掘ったりする。2人は暑くて汗だくになったことで嫌気がさし、六郎太が隠している金を探し始めた。
水飲み場に行くと女がおり、高価な櫛を落としたことから逃走中の秋月の雪姫だと考える。六郎太はそれを否定し、雪姫を既に山名に差し出して10両の金をもらったと言う。又七は麓で雪姫が打ち首になったという話を聞いたこともあり、彼を信じることにした。
六郎太は雪姫に会いに行き、彼女の妹が身代わりになったと報告。すると彼女は涙すら流さない六郎太を責める。それでも六郎太は山名領を抜けるにあたり、雪姫には口を利かないようにと助言して彼女は渋々ながらも承諾した。
関所
ついに隠し砦から出て山名の寮へ向かうことになった六郎太一行。馬に大量の金を乗せて道を行き、六郎太のいない隙を狙って太平と又七は馬ごと金を盗もうとする。雪姫は機転を利かせて馬を奪い返して六郎太に知らせると、彼は太平たちに「金を持って失せろ」と命じた。
川向こうに山名の兵たちが多数いたことで太平たちは再び付き従いたと申し出る。すると、隠し砦の方から煙が上がり、残った者たちが戦って煙を上げることで急を知らせたとわかった。
そこで六郎太は関所に向かうことにする。関所で「金の入った薪を見つけた」と報告して褒美をしつこく要求することで、関所から追い出されるようにやり過ごした。
そうして町に着いた一行は休むことにし、雪姫は秋月の女が売られていたため買い取る。その後の道中で2人の追っ手に感づかれた六郎太は彼らを斬り、その先にいた田所と一対一の勝負をすることに・・・六郎太は強く、武将である田所は負けたのだった。
彼らの行方(ラスト結末)
その後、一行は金を守りつつ山を越えようと進むが、多くの兵に追いつかれてしまう。種子島で狙い撃ちにされ続ける六郎太と雪姫は捕えられ、縛られた二人の目の前に現れたのは田所だった。彼は勝負に負けて首を落とされなかったため大殿に弓杖でかなりの傷をつけられていた。
その仕打ちを聞いた雪姫は田所と大殿の器量を疑問視し、田所はその意気を買って味方に付く。一方、追っ手から逃げていた太平と又吉は放浪中に3頭の馬が金を運んできたことに喜ぶ。すると、金を追って来た兵に捕まってしまい、連れてかれた屋敷には六郎太と雪姫がいた。
彼らは田所のおかげで逃げ延び、金を使って秋月家の再興を進めていたのだ。六郎太は2人に「これで許せ」と大判の金を1枚渡し、太平と又吉は今度こそ仲良く分け合おうと言うのだった。
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「隠し砦の三悪人」の感想
黒澤明監督のモノクロ映画の中でも、森や川、そして砂利と岩場の風景が際立った作品だと思いました。六郎太が雪姫をかくまっていた隠し砦は急な砂利道と岩場に囲まれているので要塞のように感じます。その道を歩こうとするとガラガラと小石が転がり、なかなか登れない様が印象的でした。
登場人物についてですが、六郎太と田所の勝負はまさに「武士」という雰囲気が合って見入ってしまいました。槍を構えた2人は互いに引かず手を変え品を変え、せめぎ合い互いに突きあったり大きく槍を振り回したりするのです。派手な殺陣を繰り広げ、そのシーンを長く撮影しているのも特徴でした。
一方で、太平と又七は臆病なので六郎太に凄まれると直ぐに物怖じしていましたね。それでも最初は六郎太に盾突いて殴り掛かるのですがサッと投げ飛ばされて水飲み場に落とされるという様は思わず笑ってしまいました。
その後もことごとく六郎太の目を盗んでは金を盗もうとしたり、雪姫にちょっかいを駆けようとしたりする太平と又七。雪姫が寝ている所を狙いましたが、その際は六郎太ではなく従者の女性が助けに入りました。彼女は自分の顔ほどの岩を持ち上げて太平たちを威嚇する様が頼もしかったです。
登場人物の関係性がわかりやすく、各々の見どころも多い作品でした。
「隠し砦の三悪人」のみんなのレビュー(面白い?つまらない?)
※この部分はこちらで記述します。
面白いというレビュー
#タイムラインに出てこない映画を召喚させよう
「隠し砦の三悪人」
黒澤映画は何故かTLで滅多に見ない。面白いのになぁ。
俺は特にコレが好きです。メリハリが効いてるし気持ちいいシーンが多くて、そんでそんなに長くない。 pic.twitter.com/lCaw77eGvg— りっく (@msm03csuki) May 30, 2021
見てない名作映画を見るクラブ二作目は『隠し砦の三悪人』
めっちゃ面白かった!!!
結構な割合で何言ってんのか分かんないのに妙に面白いし、百姓二人組もどんどん可愛く見えてくる。最初は長い映画かと思ってたけど話運びはキリッとした配分だった。それにしても撮影は命がけでやっているのか…?— annna (@tip_top_toe) January 16, 2021
隠し砦の三悪人観た スターウォーズの元ネタというのもわかる 又七と太平のコンビが優柔不断すぎて面白い
— アホ寺僧侶 (@ramusesu5sei) December 28, 2020
隠し砦の三悪人
冒険活劇として面白いのは勿論だが,個人的に祭りのシーンが印象に残る。あのエキストラの熱量も凄まじい。その中にちゃっかりあの名優が!!勘違いかと思ったら,やはりそうだ。この翌年から本格的に岡本喜八作品に出ずっぱりになったのを考えると,かなり重要な位置にある作品だと思った。 pic.twitter.com/5GGjG6PW9g— Thomas Crown (@odyssey_lnlf) November 19, 2020
つまらないというレビュー
20年以上ぶりに『隠し砦の三悪人』を観直したが全然イマイチだった。これのオマージュ作と思われる井筒監督の『東方見聞録』の方が万倍面白いし名作だと断言できる。『東方見聞録』はDVDしか出ていないが買っといてよかった。家宝である。
— 七井コム斎 (@nanai_komusai) April 22, 2021
隠し砦の三悪人(1958)を鑑賞
三悪人というタイトルに偽りあり
これじゃ「三船敏郎、他」やないか
六郎太の不遜な態度にイラっとくる
話も今からすると起伏がなくてつまらない
火祭りのシーンだけは迫力があってよかった— ジャンさん@I❤️NY(西淀川) (@jun_harapeko) October 9, 2017
これはぼく的には『隠し砦の三悪人』が全然ダメな理由でもある。黒澤映画はほとんど好きなんだけれども、この映画は本当につまらない。1ミリも面白くない。英雄が英雄でバカはバカとしか言っていない映画に、活劇である資格が本当にあるのかとさえ思う。境界を乗り越えるダイナミクスが無いんだから。
— 五百蔵 容 (@500zoo) March 1, 2021
「隠し砦の三悪人」のスター・ウォーズの関連性は?又七と太平はC-3POとR2-D2のモデル?
又七と太平はC-3POとR2-D2のモデル?
ジョージルーカスが本作に影響を受け、隠し砦の三悪人に登場する太平と又七は、スター・ウォーズのC-3POとR2-D2のモデルになりました。
痩せっぽっちで背の高い又七がC-3PO、小太りの田平がR2-D2だとされています。
スターウォーズ:最後のジェダイ
スターウォーズ:最後のジェダイでも隠し砦の三悪人のオマージュとされるシーンがあります。
『隠し砦の三悪人』(1958)
監督:黒澤明『スターウォーズ:最後のジェダイ』(2017)
監督:ライアン・ジョンソン pic.twitter.com/yrewofHJko— 映画史で辿る構図 (@film_to_film) April 29, 2020
スターウォーズ:スカイウォーカーの夜明け
7人のカットが隠し砦の三悪人のオマージュではないかと言われています。
「隠し砦の三悪人」の登場人物(俳優名)
真壁六郎太(三船敏郎)
隠し砦に潜む男。髭と眉毛が凛々しく、眼光が鋭い
又七(藤原釜足)
痩せっぽっちの男。太平と仲が良いが時に喧嘩をする。
太平(千秋実)
小太りの男。
雪姫(上原美佐)
秋月の姫。大殿に雄々しく育てられた。
田所兵衛(藤田進)
山名の侍。腕っぷしがある。
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