1961年に黒澤明監督により製作された『用心棒』はとある宿場町と用心棒の物語です。やくざたちが争う中で主人公である用心棒がどのように立ち振る舞うのかが見どころ。娯楽活劇として楽しめたり、彼らの作戦に目を見張ると言う『用心棒』のあらすじとラスト結末に感想や劇中の大男の正体も交えて紹介しましょう。
「用心棒」のラストの結末やネタバレあらすじ
三十郎
とある宿場に通りかかった三十郎は、「百姓の暮らしはいやだ、いい暮らしをしたい!」と出ていく若者をみやった。サイコロの博打で楽な暮らしを狙っていたようで、宿場が栄えていないことが原因。丑寅と清兵衛が争って殺し合いが耐えないため、絹市ができないのだ。そこで三十郎は清兵衛の家に行って用心棒として自分を買わないかと進言。
彼は腕を見せつけるため、丑寅の元にいた3人の男を斬ってみせる。それでも金を出し渋る清兵衛に対し「丑寅に会う」と言い出すことで50両の約束を取り付けた。清兵衛の妻のおりんは夜逃げされることを心配するが、彼は前金で25両を払って戦いが終わったら不意打ちで殺そうと企んでいたのだ。三十郎はその話が聞こえて嫌気がさし、両家の決闘時に助っ人が逃亡するのを見たが報告しなかった。
八州の見回り
そうして八州の見回りがやって来たため丑寅と清兵衛の争いは一時中断。村の者たちは日常を装い、人死にが出ないことで桶屋はもうからないことを嘆く。三十郎の元に丑寅の弟の亥之吉がやって来て、用心棒の腕っぷしを見込んで勧誘したいと言う。そこにおりんも現れて無理やり三十郎を連れて行こうとするのだった。
八州廻りは10日間居続け、ついに彼らが去ることになる。町役人が殺されたと言うので八州廻りは現場へ向かったのだが、それを企てたのは丑寅だった。三十郎は町役人を斬ったゴロツキを捕まえて清兵衛の家へ。ゴロツキを利用すれば丑寅を役人に付き出せるとそそのかす。
作戦
丑寅の元にいた弟の一人、卯之助は清兵衛の子である与一郎を人質にし、ゴロツキを引き渡すよう取引を持ち掛ける。丑三つ時になって人質たちを交換する清兵衛と丑寅だが、卯之助の非道な行いに対し清兵衛はとある女を捕えたと伝えるのだった。
その女は丑寅の元にいた徳右衛門が大切にしていた者であり、三十郎は彼女を利用して丑寅と清兵衛を争わせることにする。女が捕えられていた家に行き、そこにた6人の用心棒を斬って家を荒らしておくのだった。女を逃がした後、駆け付けた丑寅に対し三十郎は「清兵衛の仕業」だと伝え、丑寅と清兵衛の争いは激化していく。
三十郎の元に女から文が届き、逃がしてもらったことのお礼が綴られていた。そこに卯之助やって来て、6人の用心棒を斬ったのは三十郎ではないかと指摘。文に気付いた卯之助三十郎に銃を向けて捕え、女の居場所を教えるよう尋問を始める。
決着(ラスト結末)
三十郎は動けないほどの傷を負い、大男のかんぬきがいない間に物入れに隠れる。かんぬきが戻った際に三十郎がいないと気付き、外へ探しに行くと三十郎はそのスキに外へ。権爺に助けを請い、ひとまず隠れて卯之助たちが探しに来たのをやり過ごした。権爺は桶屋から人が入る大きさの桶を持って来て三十郎を入れて密かに運ぼうとする。
丑寅は女を探すため清兵衛の家を煙攻めにしており、おりんを斬って与一郎を人質にして清兵衛に姿を現すよう言い放つ。現れた清兵衛と与一郎を卯之助が撃ち殺した。三十郎はそれを見やって隠れて過ごすが、権爺が捕えられたと聞いて丑寅の元へ。
卯之助や数人と対峙した三十郎はあっという間に彼らを斬ったのだ。呼吸もままならない卯之助は最期に銃を握らせてくれと頼み、三十郎は言うことを聞く。そうして地面に発砲した卯之助息を引き取り、丑寅と清兵衛両家の者たちが消えたことで争いも終わったのだった。
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「用心棒」の感想
三十郎は腕っぷしがありながらも、丑寅と清兵衛を争わせようと知恵を巡らすのには目を見張りました。というのも両家には多くの手下がいるため、一方だけを相手にするにしても骨が折れる・・・また、それぞれが潰し合えば宿場を仕切る者がいなくなると言う利点もあったのだと思われます。
そうした作戦を考えていた三十郎ですが、行きつけの店の権爺から煙たがられていました。丑寅と清兵衛の元を行き来し、大金を取引するのを見てうさん臭さを感じたのでしょう。それでも、徳右衛門の女を助けて逃がしたことを知った後は信頼をおくのでした。
権爺は情を持ってからは三十郎が尋問を受けてボロボロになった姿を見て悲しんだり、彼が桶を持って来てくれと言ったのを誤解して「そんなこと言うな」と語り掛けるのが良かったです。
桶に自ら入って死を覚悟したのだと思われたのでしょうが、三十郎はまだまだ諦めていないという意志を見せたのもカッコ良かったですね。一方、彼と同じくらい頭が回る卯之助も凄かったですね。銃を持ち歩いて作戦を自ら実行・指揮していって容赦無いさまも印象的でした。
三十郎が丑寅の手下をそれぞれ一振りで倒していくという強さが見どころ!最後は三十郎が卯之助の頼みを聞いて銃を渡し、撃たれそうになりつつも彼が力尽きるようにして地面を撃つのでした。「地獄の入り口で待っている」と言い残して勝負が決まるという展開も渋さがあって良かったです。
「用心棒」のみんなのレビュー(面白い?つまらない?)
面白いというレビュー
今日は『用心棒』を見ました
初黒澤です なにこれ普通に面白い
高尚なイメージは完全に偏見でした ただの「映画作るのが異様に上手い人の作った映画」じゃないか 騙したな
キャラの立ち方、お話作りのうまさ、なにより場面場面の演出が上手い
気づけばのめり込んでいる なにこれ すごい— 和田島イサキ (@wdzm) April 13, 2021
かなり前から方方で勧めてるけど黒澤明監督の『用心棒』は荒々しい殺陣がカッコいいし面白い。個人的に七人の侍よりこっちのが名作
あと大林宣彦監督の『ふたり』とか雰囲気が凄くいい。しみじみと寂しいっていうか
— ニムバス(type:アークZERO) (@Nwu1j3B0r1Q3kOW) April 11, 2021
10:白黒映画
用心棒
黒澤作品は全て面白いが七人の侍よりこっちを推して通ぶりたい(笑) pic.twitter.com/cfdKRqFbZ6— ヨウ🔥織田幕府大老 (@FGO0613) January 22, 2021
新文芸坐、黒澤明監督特集、2本目は用心棒。黒澤明作品を全部観た訳では無いけど、めちゃくちゃ面白い!これはマカロニ・ウェスタンの元祖!?まさか三船敏郎が半殺しになるとは!山田五十鈴の悪女ぶり、悪役映えな仲代達矢のダンディさ!天本英世も出て岡本喜八作品かとw pic.twitter.com/FdRcMsYZQN
— ゾンビコマンド・カワ (@REDDRAGONRISIN1) January 10, 2021
新春ということで黒澤映画「用心棒」を見る。理屈抜きに面白い。娯楽超大作とはこうあるべき。ところで先に「荒野の用心棒」を見てたので似てるなーと思いましたが「荒野」の方がパクりだったんですね笑
— T (@tsp_0731) January 9, 2021
何度目かの用心棒を観たけど、毎回新しい気付きがあって面白い。そして荒野の七人を続けて観てるが、黒澤映画は頭の回路がリセットできない。
それはさておき、今年もよろしくお願いいたします。— Satoshi Oda (@sa_0da) January 1, 2021
つまらないというレビュー
好きな作品をけなされるのはイラつくとは思うけど、面白いと思う人もいればつまんないと思う人もいる。それでいいじゃない。たとえば俺だって黒澤監督の用心棒は好きじゃないけど、生きるは好きだ。
それでいいじゃないの。— くまゴリラ (@ApyquxfYfdeTxOT) March 19, 2021
劇中の大男はジャイアント馬場ではなく羅生門綱五郎
「ここは地獄の何丁目だぜ」と言いながら三十郎に投げつける大男はジャイアント馬場さんと思っている人も多いようですが、台湾出身で元大相撲力士で、日本プロレスのプロレスラーであった「羅生門綱五郎」さんです。
「用心棒」の登場人物(俳優名)
桑畑三十郎(三船敏郎)
浪人の侍で腕っぷしがある。
清兵衛(河津清三郎)
宿場のやくざの一人。三十郎を利用しようとする。妻のおりん、息子の与一郎と暮らす。
おりん(山田五十鈴)
清兵衛の妻。
丑寅(山茶花究)
宿場のやくざの一人。弟や子分が多い。
卯之助(仲代達矢)
丑寅の弟。銃を常に持ち歩く。
亥之吉(加東大介)
丑寅の弟。ちょっとドジな面がある。
かんぬき(羅生門綱五郎)
丑寅の元にいる大男の用心棒。
権爺(東野英治郎)
居酒屋の店主。
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