2012年に製作された映画『かぐや姫の物語』は高畑勲監督による「竹取物語」を元にした作品です。かぐや姫と翁の出会いから月に帰るまでの物語は感動的…そのアニメーションの絵柄は絵本が動いているかのような雰囲気が見どころとなっています。そうした『かぐや姫の物語』のあらすじとラスト結末に感想や口コミを交えて紹介しましょう。
「かぐや姫の物語」のラストの結末やネタバレあらすじ
翁と光る竹の出会い
昔々、翁(おきな)は竹を取りに山へ出掛けると珍しい光る竹を見つける。そこからタケノコが急に生えてきて光りながら開いていくと、中から手のひらサイズ女の子が現れた。翁は眠っているその子を家に連れて行き、妻の媼(おうな)と共に天からの授かりものだと喜ぶ。
女の子はすぐに大きくなって乳児となり、翁たちは不思議な赤ん坊だと思いつつも育てるのだった。翁は彼女を姫と呼び、彼女を竹林で見つけた黄金や高価な布地を元手に都に屋敷を構えようと考えていた。一方、姫はカエルのマネをして四つん這いをしていたのに、今度は立ち上がって歩き始める。成長が早い不思議な子であり、近所の子には「タケノコみたいだ」とあだ名をつけられるのだった。
ある日、姫は翁のタケノコ取りを手伝うが、途中でウリ坊に気を取られて遊び始める。すると、ウリ坊の親に襲われそうになり、通りがかった捨丸が姫を助けたのだ。姫は彼と過ごすことが多くなり、歌ったりキジを捕まえたり・・・しかし、翁は屋敷を構えたことで姫の田舎暮らしは終わり、捨丸と疎遠になる。
かぐや姫の屋敷での過ごし方
翁に雇われた相模殿は高貴の姫君に育てるための稽古や仕草を教えるが、姫は手習いでは絵を描き、琴を弾けば面白いと言って遊び半分・・・と思いきや、ひとたび真面目にこなすと目を見張る腕前を披露するのだった。そうして稽古に明け暮れる中、大人になった姫に名付けの儀が執り行われる。
名付けのためにやってきた秋田様は姫が琴を演奏する美しい姿を見て「なよ竹のかぐや姫」と名付け、儀を祝う宴が3日3晩開かれた。姿を見せずにいたかぐや姫に対し、宴の参加者が強引に見ようとし、彼女は屋敷を飛び出すが捨丸が山にもう住んでいないと知ってショックを受ける。
かぐや姫はその後、静かに過ごすようにしていたある日、5人の高貴な身分の男たちが求婚を迫ったことである提案をした。
5人の求婚者たち
5人の男たちにそれぞれ存在するかも不明な得難い宝を持ってくるように命じたかぐや姫。
車持皇子(くらもちのみこ)に蓬莱の玉の枝を見つけてくるように言うと、彼は作り物を用意してきた。
阿部右大臣(あべのうだいじん)に用意させた火鼠の衣は偽物だった。
大伴大納言(おおとものだいなごん)は龍の首の玉を探す航海で幻覚を見始めた。
石作皇子(いしつくりのみこ)は仏の御石の鉢を探して、一輪のレンゲの花が映える小さな鉢を持ってくる。彼は美辞麗句を並べたが、そうして仏門に入った女性が何人もいると判明して去っていった。
石上中納言(いそのかみのちゅうなごん)は子安貝を探していたが、その途中で腰の骨を折って亡くなった。
月に帰るかぐや姫
かぐや姫は皆を不幸にしたと自らを責めるが、今度は御門(帝)が彼女を女御として宮中に招きたいと言う。断る女性はいないと思っていた御門だが、かぐや姫は申し出を受けるくらいなら死を選ぶと翁に伝えるのだった。
それを聞いた御門は自らかぐや姫の元に赴くと、彼女はその強引さを受けて心から助けを求めた。かぐや姫は自身が月から来た者だと思い出し、助けを求めたことで迎えがやって来ることを悟る。
そのことを翁と媼に迎えが来ることを伝え、月を仰ぎ見るようになるかぐや姫・・・山に赴き、その地を訪れていた捨丸との再会を喜び、共に生きられないことを悲しむ。
そうして八月の十五夜、月の民がやって来て屋敷にいた者を眠らせてかぐや姫を連れて行こうとしたため、彼女は最後に翁と媼にお礼と謝罪を伝えた。そうしてかぐや姫は月へ帰るのだった。
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「かぐや姫の物語」の感想
かぐや姫の変化について
翁はかぐや姫と別れる間際に、彼女のために屋敷を構えて気品を備えた女性になるよう尽くしてきたと言っていたのが印象的ですね。しかし、かぐや姫自身は高貴な身分になりたかったわけではなく、むしろ共に田舎暮らしを楽しんでいました。
自由に生きる動物や植物と共に、そして捨丸とも共に生きることがきっとできたから…屋敷では堅苦しくて不自由な過ごし方を強いられ、だんだんと彼女らしさが失われていくのが伝わってきました。
元々、月にいた時から自由に憧れており、それが原因で月に送られたとのことですが、月の暮らしは厳格なのでしょうね。かぐや姫は地球にいた時の記憶を失ってその後を生きていくと思うと切なく感じます。
求婚者たちとかぐや姫の心境
捨丸は木を得て生業としていたため山に定住せず、次に同じ場所に戻るのは十年後…そんな彼と都で偶然会うことができたかぐや姫ですが、盗みを働く彼と、一方で高貴な身となったかぐや姫との差がハッキリと伝わってきました。2人は一緒になれないと悟らせる中で、高貴な身分の男たち5人が現れるストーリーは見どころです。
それぞれが無理難題にどう対応するのかが見ものとなるのですが、嘘を述べる者もいれば必死に旅をして得難き宝を探す者もいる…そうした展開を経て、最後に御門(帝)から申し出を受けつつも頑なに断るかぐや姫の姿勢は一貫していたと感じました。寵愛を受ければ今以上に不自由になると悟っていたのかは分かりませんが、これらをキッカケに月へ戻ることになるという話と、地球に憧れていたという理由など色々と考えさせられました。
「かぐや姫の物語」のみんなの口コミ(面白い?つまらない?)
面白いという口コミ
『かぐや姫の物語』面白い。女童がパタリロみたいでかわいい(^_^)
— ゆうき まさみ (@masyuuki) March 13, 2015
昨日は「かぐや姫の物語」を見ました。2回目ですが改めて面白いと感じた!月から地球を見て人類の幸せについて教えてくれる別世界からの目線が良いいです!地球の人々の醜さが描かれてますがそれをも「幸せ」とかぐや姫が放つ言葉に号泣。
怒りも悲しみも地球人類の特権だなんて考えもしませんでした。 pic.twitter.com/ByMBKeRTsZ— 白野楓子@9月9日メープルさん (@shironohuko) May 29, 2018
私も今となっては『かぐや姫の物語』が一番心に響く作品に仕上げて貰えたと思ってる。勲さんまじ好き!
原作を空海が俗世の愚かさを描いた作品として書き記したと捉えれば、ですが。姫の実在云々も言われているから事実はまた違うかもしれないし面白いです。
— 細雪 (@snow01724) August 22, 2020
劇場で「かぐや姫の物語」を見終えた時はただただ呆然だった。同じく劇場で「風立ちぬ」や「まどかマギカ」を見た時は面白い・感動したという気持ちだったが、かぐや姫はこの表現(絵)を手に入れるために費やされたものを想像して圧倒され打ちのめされた。 #かぐや姫の物語
— おはぎ (@ohagi2334) March 13, 2015
つまらないという口コミ
「かぐや姫の物語」に「アニメ的なキャラクターや物語性」を求めたらつまらないだろうなと思う。あれは「可能な限り最高な形で表現した『竹取物語』」なのだよね。物語に意外性もへったくれもない。目新しさも全くない。だからこそ個人的に凄まじい作品だと思うけど、「微妙」という感想もよく分かる。
— r i o n (@ri_on0044) December 1, 2013
かぐや姫の物語見て来ましたが、確かに作画とかのレベルは凄いけど、まんまかぐや姫だったよ。はっきり言ってつまらない!
— 宇田川.com (@kanidb) December 1, 2013
かぐや姫の物語とかいう「駄作を評価する俺かっけー」という目的以外で評価されたことのない作品
— 京谷咲霧@カープ下剋上&日本一祈願 (@KyoyaSakuya) April 6, 2018
現実逃避として、逃げてた映画を今更見るってのをやってんだけど、今回「かぐや姫の物語」でした。TV放送も無視してたんだけど、いやこれ絶望的な駄作中の駄作だなあ。褒める所が1箇所も見つかんないだけどなんだよこれ。
— 稲葉渉 (@inabawataru) July 3, 2016
映画「かぐや姫の物語」を観てきた。超駄作。映画館で失笑と怒り。ひどかった。少女が大人の理不尽さに直面して、それと格闘するって話、「ハイジ」や「赤毛のアン」の自己模倣だよね。相模がロッテンマイヤーさんで、侍女がセバスチャン。「立った!」というセリフを聞いて、お前はクララかとw
— ジョウサイ (@saizyo80) December 21, 2013
中立的な口コミ
昨夜TV放映された事もあり、僕の周りでも「かぐや姫の物語」が面白いとかそうでもないとか話題になっている。でも、はっきり言って、見ている人の大半は高畑 勲さンより頭も良くないし、審美眼も低いし、美術に関しての知識も無い。だから、自分の器から零れ落ちるものが沢山あれば面白くないだろう
— 小池一夫 (@koikekazuo) March 15, 2015
かぐや姫の物語は映画館で観た人が周りであまりいなくて「退屈そう」「笑いどころがなさそう」と聞くたび「ああ、帝の事を伝えたい!いかに帝がキモ面白いか!映画館でみなの笑いを誘ったか!かぐや姫の物語は風立ちぬより館内が笑いに包まれていたというのに!」と思っていたのでTV放送まじ嬉しい
— 阿部川キネコ (@kinekofu) March 13, 2015
「かぐや姫の物語」それ自体よりも、「かぐや姫の物語の批評」の方が面白い。
私には全然感じられなかった事が多く書かれていたり、その解釈の前提について説明されていたりする。
しかし、やはり物語世界には入っていけない作品だと私には感じられる。
作品より、作品を観た人の感想の方が面白い。— タクラミックス (@takuramix) January 25, 2014
かぐや姫の物語、面白さ云々よりも映像作品としてオンリーワンなので それの評価せずに面白いだのつまらないだの言ってるだけとか浅すぎだろ。
— 富士田 (@multi_tat) October 30, 2019
「かぐや姫の物語」の登場人物(俳優名)
かぐや姫(朝倉あき)
月から訪れた不思議な女の子。
翁(地井武男)
かぐや姫を見つけた老人。
媼(宮本信子)
翁と暮らす老人。
捨丸(すてまる)(高良健吾)
山に暮らしている青年。
相模殿(高畑淳子)
かぐや姫に稽古や姫としての気品を与えるために来た女性。
車持皇子(くらもちのみこ)(橋爪功)
かぐや姫のために蓬莱の玉の枝を探す高貴な身分の男。
阿部右大臣(あべのうだいじん)(伊集院光)
かぐや姫のために火鼠の衣を探す高貴な身分の男。
大伴大納言(おおとものだいなごん)(宇崎竜童)
かぐや姫のために龍の首の玉を探す高貴な身分の男。
石作皇子(いしつくりのみこ)(上川隆也)
かぐや姫のために仏の御石を探す高貴な身分の男。
石上中納言(いそのかみのちゅうなごん)(古城環)
かぐや姫のために子安貝を探す高貴な身分の男。
御門(中村七之助)
かぐや姫を女御として宮中に招こうとする男。
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