三池崇史監督による『初恋』は2019年製作のアクションやダークな部分が見どころの映画。主人公のボクサーを演じるのは窪田正孝であり、脳腫瘍と診断された人生をどのように生きるのかに注目です。
ヤクザと中華系マフィアの戦いに巻き込まれる中、一人の女性を助けた主人公の予想外な展開を描く『初恋』のあらすじ&ラスト結末に感想やレビュー(面白い or つまらない)を交えてご紹介します。
「初恋」のラストの結末やネタバレあらすじ
レオとモニカの出会い
ボクサーの青年・葛城レオは日々トレーニングに明け暮れボクシングに打ち込んでいた。ある日、試合中に軽いパンチをくらった際に倒れて病院へ…すると、医師から脳腫瘍の診断を受け、余命わずかと知る。
レオはショックを受けて夜の街でボーっとしていると、向かいから逃げてくる女性がやって来て、追いかけていた男に対しすれ違いざまにパンチをくらわして気絶させた。
レオは男が警察手帳を持っていたことに動揺する一方で、助けを求めていた女性はレオと共にその場を離れる。
女性の名はモニカといい、父親の借金のカタに売られてヤスの家に置かれていたと語る。彼女は男を相手に稼ぎつつ、シャブのやり取りをしていたヤスから薬をもらっていたことで幻覚を見るようになっていたのだ。
モニカを追う者たち
モニカを追っていたのは刑事の大伴。彼はヤクザの加瀬からシャブの横流しをする企てに手を貸し、ヤスのシャブを狙う。ヤスが自宅にシャブを持ってきた際に加瀬が彼を襲って奪い、その犯人をモニカに仕立て上げようと大伴に女として買わせた。
大伴はモニカと会うまでは上手くいったが、彼女が幻覚を見始めていきなり逃げ出したことで追い掛けている際にレオに気絶させられたのだ。一方、加瀬はシャブを奪う際にヤスを殺してしまい、彼の恋人であるジュリが血眼で犯人を探していた。
ジュリはヤクザの権藤にヤスが殺されたことや、彼女も中国人に襲われたことを報告。シャブを狙った中華系マフィアの仕業と考える中、加瀬は自身に目が向いていないことに安堵した。
加瀬は大伴からモニカが逃げたことを聞き、ジュリを車で家に送り届ける際にモニカのスマホのGPSを追えないか聞く。
ジュリは自らモニカを追うと言ってスマホを加瀬に渡そうとしなかったが、加瀬は彼女を気絶させてスマホを奪い、彼女の家に着いたためそこで縛っておこうとする。
しかし、ジュリは祖母と暮らしていたため加瀬は見つかってしまい、隠蔽のためジュリを殴って家を放火したのだった。ジュリは熱さで目覚め、加瀬がヤスを殺した犯人だとわかり、権藤と共に追うのだった。
マフィアとヤクザの戦い(ラスト結末)
中華系マフィアはヤクザに狙われていること、シャブをモニカが持っていると知ってモニカを追っていた。レオはモニカを家まで送り届けた時に中華系マフィアの下っ端に襲われ、思わず男の銃を奪って撃ち殺してしまう。
そこに大伴と合流した加瀬が車でやって来て、レオとモニカを銃で脅して車に乗せた。しかし、権藤たちも車で追って来て、銃を撃ちながら追い込もうとしたため、レオたちはホームセンターに逃げ込んだ。
レオはモニカと共に隠れている間に留守番電話に気付いて聞くと、医師がMRIの結果を取り違えていて診断結果を間違えて伝えたと知る。
まだ死なないことを認識して銃を持つ手が震えるレオだが、モニカを守るため奮闘。その間に店内を逃げていた加瀬はジュリに首を斬られ、大伴は中華系マフィアに撃たれてしまう。
モニカとシャブを狙った者たちが次々と相打ちになり、権藤は中華系マフィアのリーダー格と僅差で勝利。シャブを手に入れてレオとモニカに声を掛け、車を運転させて店から脱出したのだ。
銃声を聞きつけたパトカーに追われる中、レオがカタギでモニカを守ろうとしていたと知って権藤は彼らを途中で降ろしたのだった。
レオは再びボクシングに明け暮れ、モニカは薬物中毒を治すため通院。2人は共に過ごすようになった。
「初恋」の感想
レオのボクシングや展開が良い
レオのボクシングのトレーニングシーンから試合まで、真剣な目つきと流れる汗まで見ものとなるのが印象的でしたね。そんな彼がホームセンターの戦いでスピードのあるパンチを繰り出すのが見ものであり。必死になってモニカを守ろう立ち上がる姿がカッコ良かったです。
レオは医師から診断結果を聞いてから死を間近に感じていたため、銃で撃ち合いとなる世界に唐突に引き込まれたことに実感が沸かずにいました。
だからこそ無謀な行動も起こせましたが、脳腫瘍では無かったことに気付いてから怖気づく展開もリアリティがありましたね。モニカと出会った際に「助けて」と聞こえたことがキッカケで彼女を助け、抗争に巻き込まれながらも命を懸けて行動する姿が見どころでした。
恐ろしいジュリ&面白い幻覚
中華系マフィアとヤクザの抗争に巻き込まれるというストーリーはハラハラの連続となり、時にバイオレンスやアクションの演出も勢いがあってすごかったです。
武闘派のヤクザは今の時代だとシノギなどがし辛くて大変だったり、中華系マフィアの人には日本のヤクザに憧れを持っていた人もいたりと設定も面白い!
そんな二つの組織がホームセンターで争う際には刀と中華刀を持って戦い、血まみれとなるのが印象的…そして、加瀬がジュリに追い詰められて腕や首を斬り落とされるのが最も憎悪を感じるシーンとなりました。ジュリの迫力が一番恐ろしかったかもしれませんね。
また、シャブ(ドラッグ)の中毒者であるモニカが幻覚を見るのも恐怖を感じるのも見どころの一つ。父親に虐待されていた過去を持つ彼女は、シャブの効果が切れたことで父親の幻覚を見る…描写としては、パンツ一丁で現れることから笑ってしまうシーンとなり、特にレオと電車で移動する際に音楽を聴きながら幻覚を見た時には踊っていたのは笑えました。
「初恋」のみんなのレビュー(面白い?つまらない?)
面白いというレビュー
初恋 かなり良かった。
想像以上にやばベッキーで怖かった。染谷君も窪田君も面白い。白ブリーフの親父の幻覚もカオスだしモブキャラ含めギャグ映画。でもヤクザだしアニメだしラブストーリーだしなんじゃこりゃ。三池監督のヴァイオレンス最高。オリジナルをもっと撮って欲しいです…! pic.twitter.com/2MBxnD4xHf— なゆ (@w_f_l_b) August 4, 2020
先日@FansVoiceJPさんの試写で観た「初恋」凄まじかった。様々な抗争が入り乱れる中、三池監督印120%のバイオレンスとボタンの掛け違いのような笑いが随所に散りばめられる。窪田正孝の肉体美と動きのキレの良さ、ベッキーと染谷が怪演の殴り合い。ここ最近の三池監督でダントツの面白さ。 pic.twitter.com/5pqTPq4E0x
— たけ (@taketakenana) December 19, 2019
『初恋』
面白い!キュートな作品で俺は好きだな。出逢った男女の話がちゃんと主軸でブレないし、三池流のギャグやバイオレンスはいいスパイスってな感じで、若い二人の情動を邪魔してないのが良いな。タイトルに偽りなしの初恋物語だよ。こんな映画を特別視しないで普通に楽しむってのが一番かも。 pic.twitter.com/YHh002G1Go— メガネ犬 (@Megane_624) February 29, 2020
ちょっと!!!映画クラスタに緊急連絡!!!!窪田正孝主演の映画『初恋』超絶大傑作だから最終回にまだ間に合う人すぐ駆け込んで!!!何これ!!!今まで人生で見たヤクザ映画で一番面白い!!!韓国映画にもハリウッドにも負けてない!!!とにかく見て!!今日!!!すぐ見て!!!急いで!!!!
— CDB (@C4Dbeginner) March 1, 2020
つまらないというレビュー
「初恋」@Tジョイシネマ品川
三池崇史お得意の題材だし、それなりに楽しめるだろうと思い鑑賞。劇伴(これは中々良い)で強引に盛り上げるものの、もうひとつ乗れない。二人の男女の描写が弱いし、少女が見る幻覚も三池崇史らしいけど滑っている。豪華俳優陣ながらベッキーの演技が特につまらない。— 三田 ドミニク (@hunger_city) March 7, 2020
三池「初恋」がちょっと微妙だったので。
軽く力の抜けた映画の方が上手くいく気がする。— グラビトン・ボルト(侵略者) (@adnojifhinfo) July 23, 2020
「初恋」の登場人物(俳優名/声優名)
葛城レオ(窪田正孝)
捨て子として育ち、ボクシングに天性の才能を持つが、余命宣告をされてしまう。歌舞伎町でモニカを助けるが・・・
モニカ(小西桜子)
本名は桜井ユリ。最悪な家庭環境の中で、モニカと名乗って男性相手の商売をしている女性。囚われているヤクザの元から逃げる中でレオと出会う。
権藤(内野聖陽)
昔気質の武闘派ヤクザ。服役後に時代の変化を感じ、体力の劣えを感じるも抗争あれば日本刀で突進していくイケイケスタイルを貫く。チャイニーズマフィアと対立。
大伴(大森南朋)
悪徳刑事で、ヤクザとつるむ一方で加瀬と手を組みヤクザの資金源を狙っている。モニカを追っている所でレオと遭遇する。
加瀬(染谷将太)
謀略を得意とするヤクザ。組織内での上手な立ち回りにより幹部に出世している。大伴と手を組み組織の資金源を奪おうと画策する。
ジュリ(ベッキー)
ヤクザのヤスの彼女。ヤスを殺され復讐に燃える女。見た目に反してピュアな性格だが、キレるとノンストップでクレイジーになる。
市川(村上淳)
権藤を慕う昔気質のヤクザ。実直な性格で組織の中での義理に欠く行動をされることを嫌う義理人情のある男。
組長代行(塩見三省)
組織内の重鎮が逮捕され、組長代行をすることになる。厳しい目つきで組織内に目を光らせるが、自らの衰えや求心力の低下も感じている。