2014年製作の『蜩ノ記(ひぐらしのき)』は役所広司と岡田准一が主演を務める映画です。とある事件をきっかけに3年後に切腹を命じられた戸田と、彼を監視する庄三郎の間に繰り広げられるヒューマンドラマは感動的なラストが待っていますよ。戸田の書き綴る「蜩ノ記」という日記の内容や、事件の真実などが気になっていくのが見どころ。それでは、『蜩ノ記』のあらすじと結末に感想と口コミ(面白い・つまらない)を交えて紹介しましょう。
「蜩ノ記」のラストの結末やネタバレあらすじ
庄三郎と戸田
城内にて庄三郎は信吾に墨を飛ばしてしまい、彼は拝領紋が汚されことに怒り刀を抜いた。身を守るため庄三郎も応戦し、ケガを負わせたため喧嘩両成敗で裁かれる・・・と思いきや、今回は両者不問にすると家老・中根に言われる。上官は信吾を罪に問えば、我が子同然の彼を失うと考えたのだ。
代わりに庄三郎は戸田の監視を任されて彼の家へ。表向きは戸田の編纂を清書するという任だが、本当は戸田が藩の秘密を明かすことのないようにとのことだった。とある不儀の件により切腹を命じられていた戸田だが、兼通公が編纂を完成させたいと望んだだめ3年の猶予が与えられている。
庄三郎は見張り役であることを戸田に話しておくと、彼の息子の太郎がそれを聞いて外へ。まだ幼い郁太郎を追った庄三郎は武士としての在り方を話すのだった。
戸田の事件の真相
庄三郎は戸田がお由と一夜を過ごした件が切腹につながったと聞く。お由は尼となって長久寺にいたため、彼女に会って戸田が裁かれている件を話した。事件があったその日、お由は家で数人の武士に襲われ、戸田が彼らを追い払ったのだった。お由の子供は殺されており、彼女は自らの命を絶ちたいと望む。
しかし、戸田の励ましによってお由は尼になって生きることを決め、子供が死んだのは病気が原因だとされた。上の者たちの策略により暗殺されたお由の子供・・・戸田は色々な事情を鑑みて、事実を報告せず切腹にも応じたということを庄三郎は知る。
彼から詳細を聞いた戸田の娘・薫はお由に直接会いたいと懇願。庄三郎は彼女と共にお由を再び訪ね、薫は父の真実を聞けて安心する。庄三郎は兼通の遺した由緒書(ゆいしょがき)をお由から受け取り、戸田に報告したのだった。
新たな事件
戸田と会って庄三郎は2年が経ち、由緒書(ゆいしょがき)と戸田の話を考量した上で信吾にある頼みごとをする。五郎兵衛という男の調査をした信吾は新たな事実を伝えるのだった。お由は五郎兵衛の子供であり、五郎兵衛は播磨屋の者。それを、お由はアキトの子供とし、正室に送り込んだのだ。この事実は明らかにされてはいけない内容だった。
そんな折、村は大雨などで稲刈りが遅れているのに対し、矢野はすぐにでも刈るべきだと命令。それに対し、戸田は稲刈りの責任を負わされた者が切腹した話をした。矢野は怖じ気づいてその場を去ろうとし、その際に一揆を企てているのではないかと悪態を付く。
帰路の途中、矢野は何者かに殺された。矢野殺しの一件で戸田の友人である万治が疑われる。その話を聞いた彼は遠出をすることにしたが、万治息子が捕えられて事実を語らされることになってしまうのだった。
庄三郎と戸田の決意(ラスト結末)
しかし、万治の息子は口を割ることなく、ひどい拷問の末に死亡・・・彼の友人だった郁太郎はこの仕打ちを許すことができず、中根に直談判を申し入れようとした。庄三郎は郁太郎を止めようとするが彼の決意の強さを知って同行する。
中根は郁太郎から友人が死亡した旨を聞き、そのまま剣の柄で腹を打たれてしまう。家老に対しての言動は許されたものではなく、郁太郎と庄三郎の処分が待たれるのだった。
信吾はこの一件を戸田に報告すると、彼は由緒書(ゆいしょがき)を渡す決意をした。お由の真実などを中根が明らかにすることは無いと考えて、既に書の内容は寺に頼んで正式な歴史として残していたためだ。
郁太郎と庄三郎を解放してもらった戸田は中根を殴り、これまでの領民の痛みを味わうようにと言って去る。中根は領民に対しての考えを改めた。その後、戸田は家譜編纂を終え、庄三郎は清書を終えて薫と結婚。戸田から家を頼むと言われ、戸田は切腹の日を迎えたのだった。
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「蜩ノ記」の感想
歴史を鑑として残そうと努めた者たちのストーリーは感動を覚えましたね。戸田が切腹を免除されそうな取引は何回かありましたが、それでも歴史や家族を優先した言動は武士としての生き様を見ました。戸田の生き方、周囲からの信頼などを知って庄三郎も影響を受けたのでしょう。
最初は見張り役だった彼は段々と肩を持つようになり、中根たちに嫌味を言われつつも事実を追求していくのです。
また、郁太郎は父の切腹の件を受け入れられなかった序盤に対し、終盤では友人の死を知って勇ましく立ち向かう姿は成長を感じさせました。家老・中根の屋敷でも凛々しくある姿を見て、戸田の息子らしさを感じさせます。
映画全体を通して庄三郎が戸田の元に訪れた三年の月日を、日本の豊かな四季と共に演出しゆったりとした音楽と共に味わうように見ていける映画でした。四季の移り変わりが見どころである一方、庄三郎や郁太郎が剣を振って稽古に励む姿は力強かったです。
1つ1つの所作を大切にしつつ長く映す、そうしたシーンは見入ってしまいましたね。庄三郎が武道を使って戦うことも何回かあってその都度、冷静に対処しつつ瞬時に敵を無力化する様も見どころでした。
「蜩ノ記」のレビュー(面白い?つまらない?)
面白いというレビュー
葉室麟 著
『蜩ノ記』
少し前にスクリーンで公開された映画の原作。
映画では尺の都合である程度の部分はカットされるのが常なので、映画を見て面白いと思うのなら読んで欲しいところ
ジャンルとしては同じく映画化された『隠し剣鬼の爪』や『蟬しぐれ』等に近いのでそういったのが好きな人向け— N2 (@tisso_x2) March 27, 2016
小泉監督は現代劇はイマイチだけど、時代劇は面白い。日本の美しい風景や武士の生き方を丁寧に撮ろうとしているのがわかる。役所広司がうまいのは当たり前として、岡田准一はいい役者になったね。十年後の切腹を命じられた男。残された時間を、あなたならどう生きるか
小泉堯史監督『蜩ノ記』— くろすけ@バスターズ (@ten89) February 24, 2018
「蜩ノ記」見ました。
藩内で事件を起こし3年後に切腹をする戸田(役所広司)の家に、監視役として派遣された檀野(岡田准一)との交流を描く。事件の奥に隠された真実が明らかになったとき、戸田の武士としての覚悟が檀野だけでなく周囲の人々に感銘を与えます。崇高な心根、所作、行動に感動。— MS-DOM (@penpen7nogizaka) February 18, 2020
つまらないというレビュー
「蜩ノ記」観賞。静かで淡々と進んでいくので人によってはつまらないと思うかも。ちょっとわからない部分もあったので原作読んでからもう一度観たいけど、四季の風景、所作、音楽、なにより秋谷のまっすぐな武士らしい生き様がひたすら美しい物語でした。チャンバラ物含め時代劇ってやっぱり好きだ。
— けい🍍 (@shino6buncyo) October 11, 2014
蜩ノ記観た。ウーン駄作だ。
— 藍舟 (@ransyuu) October 5, 2014
映画「蜩ノ記」面白いと確信してて実際面白かったんだけど何か違和感。役所広司さん始め登場人物の造形が魅力的でない。岡田准一さんも「図書館戦争」や「永遠の0」みたいな軽い企画物に出てる印象が強くどこかTV的。セリフも表情も乏しく演技してるのかなって堀北真希さんが一番印象に残った。
— Outlaw (@Ando_Tomoyuki) October 21, 2014
最終日にガーディアンズ・オブ・ギャラクシー見たけど久しぶりに当たりだったな。蜩ノ記は・・・駄作ではないが良作でもないしまじめなだけの映画だしなによりジャニがかかわると結局こんなできにしかならないわかりきった罠
— シタリ(;´༎ຶД༎ຶ`) (@shitari) November 2, 2014
「蜩ノ記」の登場人物(俳優名)
戸田秋谷(役所広司)
とある事件により幽閉され、家譜の編纂をしている。
檀野庄三郎(岡田准一)
藩における文の書き手。戸田の元へ監視役として送られる。
薫(堀北真希)
戸田の娘。
郁太郎(吉田晴登)
戸田の息子。
水上信吾(青木崇高)
庄三郎が墨をかけてしまった相手。後に親しさを取り戻す。
お由の方(寺島しのぶ)
寺の尼となった女性。
兼通(三船史郎)
大殿と呼ばれる藩主であり、故人。
中根兵右衞門(串田和美)
藩の家老。
万治(竹本純平)
戸田の友人。
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